何もしていないのに、なぜか疲れている。
体は動いていないのに、頭だけがずっと働いている。
そんな状態に心当たりはないでしょうか。
私は以前、「今日は忙しかった」と思う日の多くが、実は頭の中が忙しかっただけだったことに気づきました。
仕事のこと、家のこと、人間関係、将来の不安。
答えの出ないことを、何度も何度も頭の中で回している。
それが「考えすぎ」の状態です。
考えすぎとは、解決に向かわない思考を繰り返すことです。
考えること自体は悪くありません。
でも、考えすぎると、次のような問題が出てきます。
- 集中できない
- 決断が遅くなる
- 疲れが抜けない
これらの問題が、また別の問題を引き起こす可能性があります。
そう思うと、放置しておけないですよね。
この記事では、私自身が実践してきた「思考整理術」をもとに、考えすぎを減らす方法をお話しします。
なぜ人は「考えすぎ」てしまうのか

まず、なぜ私たちは考えすぎてしまうのでしょうか。
その理由は、とてもシンプルです。
人は「分からないこと」があると、不安になるからです。
たとえば、次のようなことです。
- この仕事、うまくいくだろうか
- あの人の言葉はどういう意味だったのか
- この選択で間違っていないか
こうした疑問が浮かぶと、頭は「答え」を探し続けます。
しかし、多くの場合、はっきりした答えが存在しません。
にもかかわらず、脳は止まりません。
ここで起きているのは、”未完了感(みかんりょうかん)”という状態です。
未完了感とは、終わっていないことが頭に残り続ける感覚のことです。
たとえば、次のようなものです。
- やりかけの仕事
- 返していないメール
- 決めていない予定
こうしたものがあると、頭の中に「気がかり」として残り続けます。
この気がかりが増えるほど、人は考えすぎてしまいます。
さらに厄介なのは、真面目な人ほど考えすぎるということです。
「ちゃんとやりたい」
「失敗したくない」
「迷惑をかけたくない」
こうした気持ちが強いほど、頭は止まらなくなります。
一般的には、「考えることは良いこと」だと思われています。
でも実際には、考えすぎるほど、行動が遅くなるという逆の現象が起きます。
「考えすぎ」のもう一つの大きな原因は、「正解があると思い込んでいる」ことです。
私たちは学校や仕事の中で、「答えが一つに決まる問題」をたくさん解いてきました。
その影響で、人生の選択や人間関係にも、どこかに正解があるはずだと思ってしまいます。
しかし実際には、次のようなことに、はっきりした正解はありません。
- どの仕事を選ぶか
- どんな人と付き合うか
- どんな生き方をするか
正解がない問題を、正解があるつもりで考え続ける。
これが、考えすぎの正体です。
さらに、今はネットやSNSで他人の意見が簡単に見える時代です。
誰かの成功や失敗を見るたびに、「自分の選択はこれでいいのだろうか」と不安になります。
この「他人と比べる思考」が、考えすぎを加速させます。
本来、人生の選択は自分の感覚で決めていいはずなのに、他人の基準が頭に入り込むことで、考えが止まらなくなるのです。
考えすぎを減らすための3つの整理ルール

ここからは、私が実際に効果を感じた「思考整理のルール」を紹介します。
難しいことはありません。
① 頭の中から外に出す
考えすぎを減らす最初の一歩は、頭の中にあることを、外に出すことです。
私は、ノートやメモ帳に、次のようなことを書き出します。
- 気になっていること
- やるべきこと
- 不安に思っていること
これを「書き出し」と呼びます。
書き出しとは、頭の中の情報を紙に移すことです。
これだけで、頭の中のごちゃごちゃが半分くらい減る感覚があります。
なぜなら、脳は「覚えておく仕事」を手放せるからです。
② 決めることと考えることを分ける
多くの人は、考えながら決めようとします。
これが、考えすぎの原因になります。
私は、「考える時間」と「決める時間」を分けるようにしました。
たとえば、「30分考えて、そのあと5分で決める」というように、時間を区切ります。
こうすると、いつまでも迷い続けることがなくなります。
③ 今やらないことを決める。
やることを決めるだけでは不十分です。
私は、「今はやらないこと」も決めるようにしました。
たとえば、次のように線を引きます。
- 今日は調べない
- 今週は考えない
- 来月に回す
こうやって線を引くと、それについて考える回数が減ります。
さて、この3つの整理ルールは、すぐに完璧にできなくても問題ありません。
大切なのは、「頭の中を少しずつ軽くする」ことです。
たとえば、①の「書き出し」は、長い文章でなくてもかまいません。
「仕事」「お金」「家族」など、単語だけでもOKです。
紙に書くことで、頭の中にあったモヤモヤが目に見える形になります。
②の「考える時間と決める時間を分ける」も、とても効果があります。
私は以前、何かを決めるときに何日も悩んでいました。
でも今は、「今日の夜までに決める」と期限を決めています。
期限があるだけで、考えすぎが止まり、行動に移りやすくなります。
③の「今やらないことを決める」は、意外と重要です。
私たちは「やること」ばかり増やしますが、「やらないこと」は決めません。
だから頭の中がいっぱいになります。
あえて手放すことで、思考に余白が生まれます。
思考が整理されると、何が変わるのか

これらを続けていると、いくつかの変化が現れました。
①迷いが減る
頭の中が整理されると、選択肢がはっきり見えるようになります。
「何をすべきか」が分かるので、迷う時間が短くなります。
②疲れにくくなる
考えすぎているときは、何もしていなくても疲れる状態です。
思考が整理されると、脳が休める時間が増え、疲れにくくなります。
③行動が早くなる
決断が早くなると、行動も早くなります。
「あとでやろう」と考え続けるより、「今やる」と決めて動くほうが、気持ちも楽です。
思考が整理されると、時間の使い方も変わります。
以前の私は、何をするにも迷ってばかりで、行動に移るまでに時間がかかっていました。
しかし、頭の中が整理されると、「次にやること」がはっきりします。
すると、スマホをだらだら見る時間が減り、本当にやりたいことに時間を使えるようになります。
これだけでも、1日の満足度が大きく変わります。
結果として、感情の波も穏やかになります。
考えすぎているときは、小さなことでも不安になります。
でも、思考が整理されると、「まあ大丈夫か」と思える余裕が生まれます。
この余裕こそが、集中力の土台です。
まとめ──考えすぎを減らすと、人生が少し楽になる

考えすぎは、性格ではありません。
習慣です。
そして習慣は、少しずつ変えることができます。
- 頭の中から外に出す
- 決める時間を区切る
- 今やらないことを決める
この3つだけでも、思考はずいぶん整理されます。
完璧にやる必要はありません。
少しずつでいいので、頭の中に余白をつくっていきましょう。
その余白が、集中力と心の落ち着きを取り戻してくれます。
